- 車の電気回路故障診断が苦手
- サーキットテスタを使用した故障診断で故障を直せる気がしない
- 回路のどこをどのように測定すればよいのかわからない
このような疑問や苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか?
お鍋さんそうそう!
電気って見えないから何が起きているかわからないし、怖いイメージも
あるしできれば触りたくない!



コンニチハ!
30代半ばで国家1級整備士一発合格。
整備士技術コンクール全国大会3年連続出場。
うち2回は2位を獲得。
整備士歴15年
自分のスキルが人の役に立つ事を夢見て記事を書いている
4649メカニッ君と申します。
今回はサーキットテスタを使用した電気回路の故障診断を図解を用いてわかりやすく解説します。
【電気回路の故障診断ができる様になるメリット】
- 電気回路の故障診断が得意になる事で他の人と差をつける事が可能。
- 頼られる存在になる事で信頼を得る事ができる
- 物事を筋道を立てて考える事できる様になる
この記事を読めば、様々なメリットを得る事が可能です。
記事内で使用している道具の紹介
電脳サーキット
電気回路の基礎を学ぶには最適な道具です。
パズルのように電気回路を作成することができ、安全で簡単に電気回路の勉強をすることが可能となります。
記事内でも使用していますが、サーキットテスタと組み合わせて使用することで、正常電圧、異常電圧の見極める能力が格段にアップします。
私自身も電脳サーキットを使用して効率的に電気の勉強を行ってきました。
ハンテック ハンディオシロスコープ
電圧測定とオシロスコープの両方が一つでできるハンディオシロスコープです。
国家1級整備士資格取得に必要な知識のオシロスコープの勉強のために購入しました。
これひとつで電圧測定から波形測定までマルチに行えるので国家1級の勉強以外にも現場で活躍している道具です。
小さいボディでありながら、オシロスコープのチャンネル数は2chを有し使い勝手の良いハンディオシロです。
サーキットテスタを使用して車の故障診断をする時に悩むポイント3選





経験上、車の電気回路故障診断で悩むポイントを3つあると考えています
それぞれの悩むポイントについて解説していきます
【電気回路の故障診断で悩むポイント3選】
- 正常な電圧がわからない
- 測定方法がわからない
- 測定箇所がわからない
それぞれの悩みポイントについて解説していきます
【サーキットテスタ使用時の悩み①】正常な電圧がわからない





最初に正常な電圧を把握する為に必要な最低限の知識について説明します。
正常な電圧を把握する為には、直列回路と並列回路の特徴を知る事が必要です。



直列回路と並列回路・・・
すでに嫌いな言葉が・・・



わかりやすく最低限の知識で診断ができるよう解説します
ぜひ最後まで御覧ください
【車の電気回路の特徴】直列回路と並列回路
| 回路名 | 回路図 | 特徴 |
| 直列回路 | ![]() ![]() | ・バルブ(抵抗)が直列に接続されている。 ・電圧が分圧される。 |
| 並列回路 | ![]() ![]() | ・バルブ(抵抗)が並列に接続されている。 ・電圧は分圧されない。 |



バルブ(抵抗)の接続方法で回路の特徴が変わる事はわかったけど、
直列接続の分圧ってなに?



それでは、分圧について解説していきます。
分圧って何?



分圧とは・・・
電圧が分かれる事です
以上



えっ!!
おわり??



はい・・・
これ以上でも以下でもないので・・・
とはいうもののこれでは解説とは言えなので図解と実験を用いて説明します。
分圧を考える時に覚えるべき2つの特徴
- 電源電圧=回路上の各抵抗にかかる電圧の合計
- 抵抗が大きいほど電圧がかかる比率が大きくなる
電源電圧=回路上の各抵抗にかかる電圧の合計



電源が12Vの場合、同じ抵抗(10Ω)が直列に接続された場合、各バルブ(抵抗)にかかる電圧は6Vとなります。
電源電圧=各バルブのかかる電圧の合計が成り立ちます。
【参考】
電源電圧=各バルブのかかる電圧の合計
12V=6V+6V


抵抗が大きいほど電圧がかかる比率が大きくなる
例えば、回路上の下流にあるバルブのを外した場合、回路は成立してないので上流側のバルブは光りません。
しかし考え方によっては回路が成り立っていると考えられます。
ここの理解は非常に重要です。
下流側のバルブを外すという事は、配線が繋がっていない状態です。
この状態をすごく大きな抵抗(実質無限大の抵抗)があると考えてみてください。
分圧の特徴として抵抗が大きいほど電圧が掛かるといいました。
これを踏まえると、バルブを外した箇所の抵抗は無限大であり、上流のバルブに比べてバルブを外した箇所には大きな電圧がかかるはずです。
言葉だけではわかりづらいですので、実験を用いて解説します。


【実験】※横にスクロールできます
| 測定箇所 | 実験結果 | 備考 |
| 電源電圧 | ![]() ![]() | 回路全体に掛かる電圧は約3V |
| 【電圧降下】 抵抗① | ![]() ![]() | 抵抗①(100Ω)の電圧降下は0.273V ※分圧する場合相対的に抵抗値が大きい方に高い電圧がかかる |
| 【電圧降下】 抵抗② | ![]() ![]() | 抵抗②(1000Ω)の電圧降下は2.733V ※分圧する場合相対的に抵抗値が大きい方に高い電圧がかかる ※電源電圧=回路上の各抵抗にかかる電圧の合計 0.273V+2.733V=3.006V |
| 【断線時】 断線箇所より上流側 | ![]() ![]() | 断線箇所を無限の抵抗と考えると、 回路上の抵抗が相対的に最大である断線箇所に高い電圧がかかる。 よって電源電圧である約3Vの電圧がかかる |
| 【断線時】 断線箇所より下流側 | ![]() ![]() | 断線箇所より下流側は配線が繋がっていない状態。 線が繋がっていない状態なので電圧はかからない |
今回の記事内で使用した道具は「電脳サーキット」です。
電脳サーキットの事をもっと知りたい方や自宅で簡単に電気回路の勉強をしたいと思っている方はこちらの記事が参考になります。


並列回路の正常な電圧を考える
並列回路の正常な電圧を理解するのは非常に簡単です。
バルブ接続個数、各バルブの抵抗値に関係なく並列接続されたバルブにかかる電圧は12Vです。


直列回路と並列回路の混合回路
先ほどの知識で直列と並列の混合した回路も理解できます
図5の右側の回路はバルブ(同じ抵抗)が直列に接続されています
よって右側の回路の各バルブにかかる電圧の合計は12Vとなります。
左側の回路は右側の回路(直列回路)と並列に接続されている為、分圧せずバルブ(抵抗)には12Vの電圧がかかります


【サーキットテスタ使用時の悩み②】測定方法がわからない


【結論】
- 基本はボディアース基準で測定する



測定方法を理解するにはデジタルサーキットテスタの特性を理解する必要があります
まずはデジタルサーキットテスタにて電圧測定を行った場合、テスタに表示される数値が何を意味しているのか確認してみましょう
デジタルサーキットテスタに表示される電圧の意味



電圧測定を行った場合に表示される数字は電圧を表示してるんじゃないの?



「電圧を表示している」は半分正解です
正確に理解するには「なんの電圧を表示しているのか」を理解する必要があります



「なんの電圧」!?
言っている意味がわかりません



結論からお伝えすると、デジタルサーキットテスタの数値は「電位差」表示しています
電位差とは
電位差とは、2点間の電位の差の事をいいます
サーキットテスタで例えると、テスタのプラスプローブを接続先の電圧とマイナスプローブの接続先の電圧の差の事をいいます



図6のようにプラスプローブとマイナスプローブを12Vの電圧が掛かっている配線に接続すると、プラスプローブとマイナスプローブ間に電位差が無い為、テスタには0Vと表示される





図7のようにプラスプローブを12Vの電圧が掛かっている配線に接続
マイナスプローブを電圧のかかっていない(0V)の配線に接続
この場合、プラスプローブとマイナスプローブに電位差が発生する為、テスタは12Vと表示する


【演習】テスタに表示される電圧を予想する
演習問題を実施したい方はクリックしてください (クリックすると問題が表示されます)



電源電圧は12Vです。
テスタに表示される電圧は何ボルトでしょうか?





電源電圧は12Vです。
テスタに表示される電圧は何ボルトでしょうか?





電源電圧は12Vです。
テスタに表示される電圧は何ボルトでしょうか?





電源電圧は12Vです。
テスタに表示される電圧は何ボルトでしょうか?





電源電圧は12Vです
・各配線にかかる電圧
・各バルブの電圧降下
・テスタに表示される電圧
は何ボルトでしょうか?





電源電圧は12Vです
・各配線にかかる電圧
・各バルブの電圧降下
・テスタに表示される電圧
は何ボルトでしょうか?





電源電圧は12Vです
・各配線にかかる電圧
・各バルブの電圧降下
・テスタに表示される電圧
は何ボルトでしょうか?





電源電圧は12Vです
・各配線にかかる電圧
・各バルブの電圧降下
・テスタに表示される電圧
は何ボルトでしょうか?


なぜアース基準で測定するのか
電位差について理解が深まったところで「なぜアース基準で測定するのか」について解説します
【結論】
- 回路のどこまで電圧が印加されているのかを正確に測定する為
それでは解説です
バルブが点灯しない原因はバルブの下流側に断線が発生している
ボディアース基準で測定すると以下の様になる



バルブ上流側に12Vの電圧が掛かっている事から、電源ラインは正常と判断できる





バルブ下流側に12Vの電圧が掛かっている事から、バルブ下流側に予期せぬ抵抗があると判断できる
※この回路に場合、正常であればバルブ下流側には電圧がかかる事はない





電圧のあり→なしに変化する間に断線が発生していると判断できる





図19の様にテスタのプローブをバルブの下流側に接続した場合、バルブ上流側には12Vの電圧が掛かっているにも関わらずテスタは0Vと表示されてしまいます。
これではバルブよりも上流側に不具合があるのではないかと勘違いが起こり誤診断の原因になります


このようにボディアース基準で測定する事により回路上のどこまで電圧が印加されているのかを正確に測定する事ができます
【サーキットテスタ使用時の悩み③】測定箇所がわからない
測定箇所の選定については今まで学んできた知識を応用する事で選定する事が可能となります
※回路図の見方に不安のある方はこちらをご覧ください。


【条件分岐】
→電源電圧がある場合、測定箇所より下流側に意図しない抵抗増加要因が発生している
→電源電圧がない場合、測定箇所より上流側に意図しない抵抗増加もしくは短絡が発生している
上流側から順にアース基準で測定していき、電圧あり→なしに変化した間に異常があると判断する
テストバルブをヒューズに取り付け後、下流側のカプラを外しながらテストバルブの明るさに変化がないか確認を行う
まとめ
今回は電気回路の故障診断方法について解説してきました
「正常な電圧がわからない」のポイントは
- 直列接続、並列接続の電気の特性を理解する
「分圧の特徴」のポイントは
- 電源電圧=回路上の各抵抗にかかる電圧の合計
- 抵抗が大きいほど電圧がかかる比率が大きくなる
「測定方法がわからない」のポイントは
- テスタはプラスプローブとマイナスプローブの接続先の電位差を表示している
「測定箇所がわからない」のポイントは
- 今までに得た知識を応用して、正常な電圧を回路図から読み取り、最初に負荷手前の電圧を測定
- 測定結果から、不具合発生箇所の予測を行いそれぞれに適した測定方法で原因の追究
今回の記事で記載されている事は「サーキットテスタを使用した故障診断の基礎」ですが、この基本を理解する事で様々な故障診断に応用が可能となります。
ぜひこの記事をブックマークやはてなブックマークに登録して頂き、何度も繰り返し読み現場での故障診断に役立てて頂けたら幸いです。
ご不明点がございまいたら「お問い合わせ」からお気軽にお尋ねください
それでは良いメカニックライフを
よろしくメカニッ君🐶🐶















